民事執行 任意売却 東京
2021/12/11
ある裁判で勝訴したとしても相手が判決の内容を履行してくれない場合には判決は「絵に描いた餅」となってしまい意味がありません。相手が判決に従ってくれない場合には相手に対して強制執行をすることになります。強制執行の手順については民事執行法に定められています。まず前提として強制執行を行うには「債券名義」が必要になります。債券名義というのは具体的には裁判の判決や和解調書調停の結果成立した調停調書又は執行認諾文言付公正証書。こうしたものが例として挙げられます。執行されることに意義を述べないという文言の入った公正証書(公証役場で作成します)は債券名義になるのですがしかしこれは金銭の支払いについての定めのみです。したがって建物明け渡しを約束するような内容になっていても公正証書を債務名義として強制執行をすることはできません。建物明け渡しを約束するような債務名義が必要な場合には簡易裁判所において「即決和解」という手続きを用いることがあります。これは「訴え提起前の和解」とも言われていて訴訟を提起することなく裁判所で和解調書を作成することができます。もちろんどのような内容で和解を成立させるか当事者間で争いがない場合に限ります。しかしながら現実に強制執行をするのはなかなかよういではありません。というのも相手方が不動産を所有していればそれが売却できるような価値のある不動産である限り不動産に対する競売は申し立てやすいのですが不動産がないような場合には給料や銀行預金を差押えることは可能ですがしかしながら相手がどこに勤務していてどこの銀行の何支店に口座があるか。こういった情報は実はなかなか調べることができません。銀行口座の差押えの場合には銀行名だけでなく支店名まで特定する必要があります。相手方に対する確定判決が存在する場合には弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会)を銀行に対して行うことによりどこの支店に口座があるかまでおおよそは調べることは可能ですが一つの銀行について6000円程度の費用がかかることとさらにはすべての銀行が回答をしてくれるわけではありません。実際のところ裁判で勝訴したものの回収ができないという事態はそう珍しいことではないのです。また仮に債務者名義の不動産が存在しても後順位の債権者に配当が回ることはありませんので「無剰余」であるとして競売手続きは取消されることとなります